R&D(研究開発)

ジーエヌアイグループの強み

当社グループは、創業科学者たちにより生み出された遺伝子情報とその解析技術を使って、がんと炎症についての研究をスタートしました。
日本、中国、米国に経営基盤を置き、主に中国において、当社グループの関連会社であるCullgen社、子会社であるGyre社により、新薬探索・臨床開発などの活動を行っております。高品質でコスト効率の良い中国の創薬プラットフォームは、当社グループの強みになっています。

創薬ターゲット検証と薬物設計

コンピューターを用いて計算された創薬ターゲットが疾患を治療する過程において効果的な遺伝子であることを立証するため、ヒトの細胞組織や臓器にどのような影響を与えるか実際に実験し、遺伝子発現レベルを調べます。

また、遺伝子ノックダウン技術(特定の遺伝子の転写量を減少させる)や遺伝子ノックアウト技術(機能欠損型の遺伝子を導入する)などを利用することで発現レベルを変え、その遺伝子によって生成されたタンパク質の構造や変異を分析します。その際、細胞内におけるタンパク質間の結合あるいは相互作用を確認し、その遺伝子が疾患を治療する過程におけるメカニズムを分子レベルで解析します。その遺伝子が生体内でどのような機能を果たしているか実証した後、疾患治療の最適なモデルを設計します。

これらの検証ステップは、遺伝子解析やその他の方法で発生した膨大な遺伝子群から最も価値のある候補となる遺伝子を創薬ターゲットとするためのスクリーニングの役割を果たしています。

現在、市場で成功を収める薬剤のほとんどが低分子化合物です。そのため、当社グループにおいても、検証済み創薬ターゲットの機能を活性化、あるいは抑制する低分子化合物を設計しています。また、当社グループは、細胞周期あるいは増殖制御、細胞死あるいはアポトーシス(細胞死の一種)、免疫シグナル伝達(細胞が外界の物質に対して反応する際に生じる過程のこと)、そして炎症シグナル伝達などを制御するリード化合物(医薬品開発において生理活性を持つ化合物。その化学構造が、有効性、選択性、薬物動態学上の指標などを改良するための出発点として用いられるもの)の発見に注力しています。これらの候補化合物は、さらに最適化され、新薬治療申請を行います。

前臨床試験と臨床開発

当社グループの統合的な創薬プログラムによって生み出された高品質で有望な創薬候補物は、臨床試験で優れた有効性を示しています。当社子会社の前臨床試験チームはこれまで15以上もの新薬治験申請を出してきた経験豊かな専門家から成り、物理化学的特性・製造(CMC)や薬物動態および毒性(ADME/Tox)試験などの分野で高いスキルを有しています。高い効率性と生産性を誇るこのチームが、アイスーリュイ(艾思瑞®)とF351を短期間でリード候補物から臨床試験段階のための候補化合物へと進めるのに大きな役割を果たして来ました。

医薬品候補物の臨床試験の結果が良ければ、規制当局の認可を経て、最終的に当社グループが目指す医薬品市場に到達します。全部で3相に分かれている臨床試験での品質と効率を保証するため、当社グループは治験経験豊富なメディカル・ディレクターと治験担当者(CRA)による臨床試験専門チームを自社内に編成しており、また、中国国内における病院とのネットワークも確保しています。

当社グループの戦略は、まず中国でコスト効率の高い、しかも厳格で広範な第1相と第2相臨床試験を実施することにより、医薬品開発を行うことです。それによって安全性を確保し、医薬品候補物の適応拡大や他の療法との併用や比較、様々な投与量の組合せなどを試みます。そして、中国で得られた第2相臨床試験データをもとに、医薬品としての可能性を判断し、日本や欧州、米国といった世界的な市場に向けて開発を推し進めて行きます。