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GNIグループ2023年12月期第1四半期決算説明会トランスクリプト
(2023年5月18日開催)
本資料に記載されている当社の現在の計画、見通し、戦略などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しです。 将来の業績に関する見通しにつきましては、現時点で入手可能な情報から得られた当社経営者の判断に基づいています。実際の業績は、さまざまなリスクや不確実な要素により、これら業績見通しとは大きく異なる可能性があるため、これら業績見通しに依拠した投資判断を行うことはお控え下さいますよう、お願いいたします。 実際の業績に影響を与えうる重要な要因には、当社グループの事業領域を取り巻く経済情勢、市場の動向、世界情勢などが含まれます。 この文書は、言及されている取引に基づくいかなる法域においても、売却の申し出、申し込みまたは購入の申し出の勧誘、証券の購入または申し込みの勧誘、または投票の勧誘を意図したものではなく、構成するものでもありません。いかなる法域においても、そこで適用される法に違反して、証券の販売、発行、または譲渡を行ってはなりません。 本資料と2023年12月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)の内容に相違があった場合、短信の内容が優先されます。 見通しや仮定の数値は、端数処理を行っております。 |
用例:
当社:株式会社ジーエヌアイグループ(日本単体)
当社グループ:当社および子会社
北京コンチネント / BC:北京コンチネント薬業有限公司
Cullgen:Cullgen Inc.
CBIO:Catalyst Biosciences, Inc.
BAB:Berkeley Advanced Biomaterials LLC
NASH:非アルコール性脂肪肝炎 (Nonalcoholic Steatohepatitis)
TPD:標的タンパク質分解誘導 (Targeted Protein Degradation)
2023年Q1のBCは、1月のCOVIDの逆風が強かったにもかかわらず、収益性を維持しました。ご存知の通り、1月は中国のほぼ全ての病院がCOVIDにかかりっきりになっていたため、非常に厳しい状況での売上の増加でした。BCが引き続き邁進してくれたことを嬉しく思います。
同時に、BABは当社の2番目に大きな収益源であり、米国で安定性を維持しています。
これら2つの重要な子会社が非常に安定したキャッシュフローと流動性を維持しており、これが当社グループの基盤となっています。
しかしながら、いくつかの理由により、連結利益が減少しましたので、その理由についてご説明します。
Cullgenは研究開発の速度を比較的早めており、研究開発費が5.7%増加したことは非常に重要な要因です。
また、Cullgenは最近、アストラゼネカファンドが主導するシリーズCの資金調達ラウンドを終え、成功を収めたことは、後ほどお話しします。現在の市場環境では、資金調達は非常に難しく、非常にチャレンジングです。CullgenがシリーズCの成功したことは、この会社が新薬の研究開発において非常にうまくいっていることの証拠です。GNIは、他の多くのグローバルなプライベートエクイティや業界の大手企業とともにCullgenに投資しました。Cullgenでは、臨床試験を進めている製品が増えており、今後、研究開発費が緩やかに増加することが予想されます。
一方、中国での営業・マーケティング担当者の増員も続けています。現在、十分な販売網を構築しておかなければ、将来、販売網を構築するためのコストがより高くつくからです。
そのほか、いくつかの一時的な費用が発生しました。まず重要なのは、CBIOとその株価の動きに関連するものです。当社との取引中に、既存株主への配当があったため、その後株価が下落しました。当社は約17%の株式を保有しているため、監査法人と協議した結果、当社の保有するCBIO株を約2.7億円低く評価しました。そのため、一時的な費用が大きくなっています。そのほか、GNI USA、GNI、BCでM&A費用が発生しました。これらのM&A費用は、CBIOにも関連しています。
これらがQ1の利益を引き下げました。
研究開発面では、多くの良い進展がありました。F351の中国での第Ⅲ相臨床試験は、ようやく半数の被験者が登録されました。昨年は、ご存知のとおり、中国でのCOVIDのロックダウンのため、数ヶ月間登録がない状態でしたが、勢いが戻ってきたと信じています。
第Ⅱ相試験が進んでいるF573も同様です。
CullgenのTRK分解剤の臨床試験も第Ⅰ相の準備が整っており、既に全ての規制当局の承認を得ています。
また、米国では、NASHを対象としたF351臨床試験について、米国FDAと協議し、プロトコルで合意に達しました。しかし、CBIOの事業については、現在進行中の取引のため、あまり多くを語ることはできません。
CBIOとBCの取引は、まだ進行中です。
すでに述べたように、アストラゼネカ主導のファンドの資金は、Cullgenの銀行口座に入金されました。
COPDやがんに対するものなど、複数のIND(臨床試験開始申請)前試験が進行中です。INDの段階になれば、当社グループはこれまでで最も多くのパイプラインを持つことになります。
医療機器事業では、OsDermaがBABの技術を活用し、当社が期待を寄せる美容分野への応用を継続しています。
また、昨年はマイクレンを買収し、現在も統合作業を続けていますが、その作業は順調に進んでいます。
私たちが今やっていること、そして過去10年間やってきたことはすべて、収益性の確保と創薬を両立させる新しいビジネスモデルを構築することです。多くの人にとって、創薬とは長期間利益が見込めずに大金を使うことですが、私たちは創薬の新しいモデルを作ろうと思っています。そのため、収益性と創薬のバランスをとるのに最も適した方法だと考え、現在のようなグループ構造と致しました。
収益を得る以外にも、中国での早期臨床試験とその後の世界での商業化を前提とした、非常に効率的で革新的なプラットフォームを継続することが必要です。一方では収入を増やし、他方では消費しすぎないように効率的に支出する。収益と費用のバランスをとりながら、常に医薬品・医療機器事業の将来的な成長性に焦点をあてています。特に今日の非常に厳しい市場環境においては、このビジネスモデルは理想的なものだと考えています。先ほど申し上げたように、最近はバイオテクノロジーにとって資金調達が非常に難しくなっています。しかし、私たちは独自のモデルにより、子会社は採算性を保持しています。
Cullgenは利益を計上していませんが、著名な投資家より資金を調達できたことは、CullgenのTPD技術のプラットフォームが優れていることを示しています。
これがBCのパイプラインです。今後は、第Ⅲ相の途中であるF351試験に特に注力したいと考えています。BCは、炎症性疾患と線維性疾患に引き続き注力いたします。
CBIOは、米国でNASHによる線維症向け臨床試験申請に注力します。
同時に、Cullgenはがんに注力します。BCとCullgenの違いは、一方は炎症性疾患に、もう一方はがんに注力していることです。このように、企業によって異なるパイプラインを用意しています。これにより、現在のリソースを最大限に活用し、最も費用対効果の高い方法で医薬品開発に集中することができるのです。
2023年Q1のGNIグループ連結売上収益は42億600万円と前年同期比6.9%の増収でした。昨年から大きな為替変動がありましたが、今回使ったレートは、22年Q1に対して、前年同期比人民元プラス5%、米ドルがプラス14%でした。この為替レートを前提にしますと、冒頭で申し上げた連結売上収益6.9%の増収と言うことは、現地通貨ベースでは微増ないし安定的な伸びという表現が適切かもしれません。ただし、注意していただきたいのは事業環境としてQ1の前半は中国において、まだ非常に厳しいコロナの制約があったと言うことです。それを考慮した上で、Q1のGNIグループの事業売上の推移は安定的であったと判断しております。一方で営業利益は3億9700万円と前年同期比マイナス17%、親会社帰属利益は200万円の損失となりました。
これは5年間のQ1の売上収益と費用等を表した図です。基本的には売上収益は右肩上がりのトレンドをキープしています。
次に、売上収益の前年同期比プラス6.9%に対しまして、売上総利益はプラスの同7.3%のプラスとなっております。販売管理費の伸びは同プラス7.6%と、収益とほぼパラレルな伸びを示しました。先ほど申し上げましたように、売上収益の微増ということは、Q1の前半、中国で非常に厳しいコロナの環境が続いていた中で、売上の成長が実現したということです。
しかし、実際にはそれを実現維持するために、販売管理費が拡大致しました。更にそれに加えて、M&A関連費用、IPO関連費用などが追加されて販売管理費を押し上げるという結果になりました。
一方、研究開発費用の伸びについては、前年同期比プラス35.7%と増加を見せております。主にCullgen(米国と中国)において研究開発費用が顕著に増加しました。
結果として、営業利益は3億9700万円で同マイナス17%という結果になりました。
増減益の要因分析に移りたいと思います。まず左から2番目の粗利は、前年同期比で2億4900万円のプラス要因でした。一方マイナス要因としては、販売管理費1億8600万円と研究開発支出1億5800万円でした。ここまでを前提にすると、事業活動としては黒字ベースであったということが言えるかと思います。ここに、金融費用5500万円とCBIOの配当権利落ちの評価減2億7200万円を加味すると、親会社帰属利益をマイナスに押し下げたという結果になりました。
GNIの事業活動内容を少し長期で振り返ってみるために、9年間の販売管理費、研究開発費用、それからその売上比率の推移を図にしたものがこちらです。事業内容が大きく変化してきているにもかかわらず、コロナ前も含めてここ5-6年は販管費(売上比)60%で、研究開発費同15%とほぼ安定的な水準となっております。
将来がどうなるかということはここから何も言えませんが、販売管理費に関しましては、安定的に推移して来ているということが言えるかと思います。一方で、研究開発費用につきましては、今後、ある程度の上昇が見込まれると考えております。
最後にセグメントで見た業績について、いくつか説明したいと思います。医薬品セグメントの売上収益36億600万円は前年同期比プラス6%、営業利益は1億4900万円で同マイナス33%でした。医薬品セグメントの営業利益のマイナス要因としましては、人件費の増加、販売費の増加などに加えまして、研究開発費用の増加などが挙げられます。医療機器セグメントの売上収益は、5億9900万円で前年同期比プラス17%、営業利益は2億4800万円で同マイナス3%という結果でした。こちらの医療機器セグメントにつきましては、営業利益で見て、コロナからの回復で売上が伸びて好調だったわけですが、一方で生体材料等のコストアップがマイナス要因になったと考えております。