研究開発領域

腎疾患 – 慢性腎臓病

慢性腎臓病(CKD)は自覚症状が無く何年もの時間をかけて腎臓機能が悪化し、腎臓機能が失われていく病気で、高血圧症や糖尿病の患者が、高血圧性腎硬化症(HN)、糖尿病性腎症(DN)を発症するリスクが高くなります。また、糸球体腎炎も慢性腎臓病の原因です。

慢性腎臓病かどうかは進行が進んだ段階で、血中クレアチニン濃度が高くなることで判定することができ、それは腎臓の糸球体濾過量(GFR)の低下を示すものです。糸球体濾過量の低下は、腎臓が老廃物を上手く排泄できなくなっていることを意味します。

慢性腎臓病は重症度に応じて5段階に区別されます。 ACE(アンジオテンシン変換酵素阻害剤)、ARBs(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤)が慢性腎臓病患者の現状の標準的な治療ですが、それらの治療・投薬をしても、なお慢性腎臓病は進行する可能性があります。第5段階は、腎臓病の最終段階、あるいは余命少ない最終段階の腎不全といわれます。高額の透析、あるいは腎移植が最終段階における腎不全患者にとっての最良の治療となります。

その原因にかかわらず腎線維症の進行、すなわち、コラーゲンが過剰に蓄積された状況です。これは、糸球体硬化症、尿細管間質性線維症という性質を持っています。科学的知見では、TGF-betaシグナル経路が腎線維症プロセスに関わっていると言われています。

当社グループのアイスーリュイ(中国語:艾思瑞、英語:ETUARY®)とF351とは共にTGF-betaシグナル経路の阻害物質であり、多様な動物実験で、肺、肝臓、腎臓の線維症に有効であることが確認されており、慢性腎臓病治療への希望が持てる新たな治療アプローチといえます。