研究開発領域

肝疾患 – 肝臓疾患領域

肝臓は脂肪代謝、糖質代謝、血液から毒性物質を除去する(血液の浄化作用等)重要な機能を果たしています。肝臓病はB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、過度のアルコール摂取、肥満、自己免疫疾患等、様々な原因から引き起こされます。開発途上国においては、B型肝炎ウイルスが肝炎の主な原因です。一方、先進国においては、B型肝炎ウイルス以外が主な原因で肝炎が引き起こされています。

中国においては人口の最大10%程度の人がB型肝炎ウイルスにかかったことがあると推計されております。また、ここ数十年の著しい経済発展に伴い、中国では肥満を原因とする肝炎が目立って増加しています。

多くの肝線維症患者に具体的な症状や兆候は見られませんが、線維症の進行とともに、数年にわたって、肝機能が次第に低下していきます。抗ウイルス剤の処方で治療が上手く行き、軽快した後でも、肝線維症はなお、数年、進行することがあります。

ALT(GPT)、AST(GOT)といった肝臓酵素検査は肝機能を調べる最も一般的な検査です。また、肝生検は線維症の程度を調べるのに、最も有効な検査です。 線維症は検査で見つかることなく、硬変に至ることもあります。硬変段階においては、肝機能が急激に低下していきます。この段階で急性肝不全・慢性肝不全急性化(ACLF)を発症し、ACLF患者の疾病率、致死率が上昇します。肝移植は現在のところ、唯一の手段ですが、その費用は高額で、さらにドナー(臓器提供者)を見つけるのも困難な状況です。また、移植する肝臓がB型、C型肝炎ウイルスに感染しているリスクも考慮しなければなりません。